2013年10月15日

免疫に関する誤解

医学・医療に関する誤った思い込み・・・
そうしたものを少しでも減らすことが出来たら,
というのが,キッズメディカルスクールをはじめた大きな動機の一つです.

今月のテーマは感染症と免疫ですが,
このテーマにちなんだ多くの人の誤解と言えば・・・,

・風邪には抗生剤が効く.
・免疫の力は強ければ強いほど良い.

こんなところが2大トピックスでしょうか.

ウイルスには抗生剤は効きません,
と言う話は以前に書きましたね.

さて,免疫の力は,強ければ強いほど良いのでしょうか?
もともと,免疫とは疫病を免れる力,と考えられていましたので,
そうした力は強いほど良いのかもしれません.

でも,今では,免疫では自分でない物を見分けて,取り除く力,と
考えられています.

うっかり,まちがえて自分自身の体を免疫の力が攻撃してしまうことで
おこってしまう病気もあります.
また,本来の目的通り,病原体などを排除するために働きはじめた免疫が,
度をこして働きすぎて,自分の体に害を及ぼすこともあるのです.
アレルギーもまた,免疫の働きの一面を見たものです.

こうして見てみると,免疫力は強ければ強いほど良いというのではなく,
バランスが取れていることが大切ということのようです.
そしてこのバランスというのは,残念ですが,
食べ物や薬などで簡単に整えられるといった単純な物ではないのです.