2011年02月19日

ピロリ菌とは

さて今日は,前回お話ししたピロリ菌について
もう少し詳しくお話ししましょう.

ピロリ菌は胃の中に住む細菌で,
慢性胃炎・十二指腸潰瘍や胃潰瘍・胃がんなどとの関連性が認められています.
このピロリ菌を発見したオーストラリアの研究者には,
2005年にノーベル医学賞が贈られました.

胃の中は胃酸のため強酸性ですので,
通常の細菌は生きてはいけません.
ピロリ菌はアンモニアを作って胃酸を中和するため,
胃の中で生息することが出来るのです.

日本人のピロリ菌感染率は,特に高齢の方を中心に非常に高率です.
おそらく,戦中戦後の衛生状態の悪い時代に感染したと考えられます.
一方,20歳代でも,20%程度の方には感染が認められるようです.
今後は感染率が更に低下していくことが期待されますが,
現在,感染が認められる方は消化器科の主治医の先生から説明をうけておかれると良いでしょう.

2010年6月の時点で
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃MALTリンパ腫
特発性血小板減少性紫斑病
早期胃癌に対する内視鏡治療後
の4つの病気で,
ピロリ菌の除菌治療が保険診療で認められています.  


Posted by ママさんドクター  at 20:38Comments(0)医療お役立ち情報

2011年02月12日

ピロリ菌

人間ドックの受診者の方は,かかりつけをお持ちでない方が多くいらっしゃいます.
健康で,医者にかかる機会もなくて・・・という方もいますが,
中には調子が悪いのをごまかし,ごまかししながら・・・という方も多いようです.

というわけで,今日は胃潰瘍・十二指腸潰瘍の話し.

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因に
ヘリコバクター・ピロリという名前の細菌が深く関与していることは
マスコミなどでもしばしば取りあげられています.
胃潰瘍・十二指腸潰瘍については,保険で除菌治療を受けられるようになって
もう10年にもなります.

・・・・が,
健診の際にお聞きすると,
潰瘍の既往がありながら,ピロリ菌の検査を受けたことが無い方,
具合が悪くなると市販薬を服用してすましてしまわれている方,
・・・が大勢いらっしゃいます.
かかりつけの家庭医の先生がいらっしゃったら,
きっともっと早くアドバイスを頂けたはずです.
潰瘍の既往のある方は是非一度お近くの消化器科・胃腸科でご相談になってみて下さい.

また,ピロリ菌の除菌の適応については
まだまだいろいろなお話がありますが,
それはまた別の機会に・・.

  


Posted by ママさんドクター  at 14:12Comments(0)

2011年02月11日

長引く咳・・Part3

少し間があいてしまいましたが,
長引く咳シリーズの第三弾です.

最近話題の感染症の1つが百日咳です.
百日咳ワクチンの接種で予防できる病気ですが,
ワクチンによる免疫は一生続くわけではありません.
ワクチンの効果が薄れた大人での感染が増加して問題になっています.

百日咳は,4年毎に流行することが知られています.
(マイコプラズマ肺炎も同様です)
前回の流行は2008年に認められました.

子供では典型的には吸気性笛音や痙咳発作が認められるとされていますが,
ワクチンをうったことのある大人では典型的症状が認められず,
咳が長引く・・といった症状だけのこともあります.
一方,ワクチンを受けていない乳児では重症化しやすいので注意が必要です.  


Posted by ママさんドクター  at 17:23Comments(0)医療お役立ち情報

2011年02月04日

体験教室

三鷹ソーシャル&コミュニティビジネスコンペティション2010の最終発表会から
早3週間が経ちました.

とうきょうキッズメディカルスクールは今
4月からの定期教室開講に向けた体験教室の真っ最中です.

第1回体験教室は先週1月30日(日曜)に三鷹ネットワーク大学で開催されました.
10人のお子さんに参加頂き,心臓の授業が行われました.
心臓の授業は,いつも90分程度では話しきれないくらい中身が濃くなりますので,
今回は,60分でその導入部分をお話しさせて頂きました.

2年生さんも一生懸命授業について来てくれましたし,
上級生は,時には余裕も見せて実習に参加してくれました.
今回の話は,5月の授業につながっていく内容になっています.
最初にみんなに,心臓の絵を描いてもらいましたが,
5月の授業が終えたところでもう一度,絵を描いてもらう予定です.
どんな進歩が見られるか楽しみですね.

今回は季節柄,残念ながら風邪で参加できなくなってしまったお友達もいましたが,
2月・3月の体験教室には全員のお友達が元気で参加できますように!
しっかり手洗い・うがいを忘れずに過ごして下さいね.  


Posted by ママさんドクター  at 22:58Comments(0)とうきょうキッズメディカルスクール